スモモの剪定
寒波の影響で寒い日が続きますね。
山梨県も昨日まで雪の予報でしたが、ほとんど降らなかったみたいで安心しています。
さて、最近はスモモと桃の剪定(せんてい)作業を黙々とやっています。
果物が成っている時期と比べると地味ですが、木と果物の未来を決める大切な作業です。
今回はメモも兼ねて、剪定について分かったことを自分なりにまとめてみました。
1.剪定はこんな作業
剪定とは「良い枝」と「悪い枝」を見極める作業です。
果樹は何年も放って置くと、好きなように枝を伸ばして「悪い枝」だらけになります。
そこで毎年、美味しい果物が沢山採れるように「悪い枝」を切って「良い枝」を残します。
木からすれば、がんばって伸ばした枝に良いも悪いもないとは思うのですが、
果実を生産する人間にとって「都合の良い枝」「都合の悪い枝」があるわけです。
また、少し曖昧に「良い」「悪い」という書き方をしているのは、
どんな枝を良し悪しとするかは難しく、地域や流派、個人ごとでも考え方が違うためです。
ここは本当に様々な考え方や研究があり、面白い部分でもありますね。
2.剪定前後の写真
今年は剪定前後での木の様子を写真に取ってみたので、比べてみました。
ちなみに私は下のような枝を「悪い枝」と決めて切っています。
・木の内側に伸びた垂直な枝 → 極端な日陰を作ってしまう
・垂れ下がった、勢いのない枝 → 良い果実がつかない、果実の重さで折れる
・良い枝を邪魔する位置の枝 → 良い枝が日陰を避けて曲がって伸びてしまう
※ この他にも色んな角度から木を眺めて、枝の取捨選択をしますよ
■1本目
■2本目
■切った枝の量(←が1本目、→が2本目)
3.比べてみて分かったこと
どちらも同じぐらいの大きさの木なのですが、
2本目の方が切った枝の量が多い、つまり「悪い枝」が多かったことが分かります。
また、剪定作業の時間も1本目に比べておよそ倍かかっていました。
剪定量が多いほど栄養の無駄も増え、木への負担が大きいと考えられます。
悪いことずくめですね。
では、何がこの違いを生んだのかを調べると、夏場の管理に原因の1つがありました。
1本目の木は夏に「夏季剪定」を行ったのですが、2本目では行っていませんでした。
4.大切な夏季剪定
夏季剪定とは、あらかじめ夏の時点で「悪い枝」を切ったり、勢いを弱めることです。
それにより、いずれ冬に切られる「悪い枝」用の栄養と日光が「良い枝」に使われます。
夏場は忙しく、夏季剪定は必須でもないため、あまり行っていなかったのですが、
画像で比べてみたことで、想像よりも夏季剪定の差が大きく出ることが分かりました。
私の園では、多少無理をしてでもやるべき作業のようです。
作業時間の面でも、夏季剪定を実施した方がトータル時間は少なくなりそうです。
さて、今回比べてみて、写真で記録を取ることも大事だと実感しました。
やっぱり、記憶や文字での記録だけでは、なかなか評価しきれない部分がありますね。
葉っぱが出た春以降も写真を取って、この剪定の効果を振り返ってみようと思います。